EOS kiss Digital 初心者奮闘(?)記

kissが上手になりたいなっ☆ 



【その1:中古レンズどうでしょう?】


・弘法じゃないから筆を選んでみる
唐突ですが、皆さん、愛しい家族との思い出をどのように残されているでしょうか?
お土産や記念品、最近ではホームビデオに撮る方も多いでしょうが、日本人と言えばやっぱりカメラではないでしょうか(笑)。

最近ではビデオカメラに押され気味の感もありますが、運動会でのお父さん達のカメラ姿ってのはある意味日本の伝統文化ではないかとも思えます。

可愛い娘息子の晴れ姿を綺麗に残したい。
そんな切なる願いを持っているお父さんは少なくないでしょう。

「弘法筆を選ばず」と言います。
プロのカメラマンさんの腕は凄まじく、携帯電話内蔵カメラでも恐ろしいような写真を撮ってしまいます。

しかしそれは腕なのです。結局我々にはなかなか真似は出来ません。
そこで我々は筆を選ぶ訳ですね。

EOS kiss Digital
大ヒットした(と言って良いでしょう)EOS kiss Digital。
ここから一眼レフデジカメの価格破壊が始まったと思ってます。

昨年9月20日に発売されたキヤノンの EOS Kiss Digital(以下kissD)は、そういった「高級志向の初心者」にとても有り難い商品だったのではないでしょうか。

一眼レフの高性能と、デジタルカメラの利便性を兼ね備えた一眼レフデジカメは日曜カメラマンにとって非常に有り難い武器なのです。
それまでは数十万円した一眼レフデジカメが、10万円強で購入出来る。正に夢のような話です。

実際、kissDはヒットしたと思います。正確な数字は知りませんが、何しろ私が持ってるぐらいですから(笑)。
その証拠に、今年のオリンピック中継で、まー映る映る。日本人観光客の多くがkissDを持っていたことに気づいた方は少なくない筈です(笑)。

旅先で、特急電車内で、コスイベントで(笑)。よく見ればあちこちでkissDユーザーを見つけることが出来ると思います。

・レンズはどこまで重要なのか?
さて、激安とも言える価格帯で投入されたkissDですが、その「安い」という評価はあくまで相対評価。一眼レフデジカメとしての評価です。
実際問題として、お父さんのお小遣いで気軽に買えるかと言えば、コンパクトデジカメなら2〜4万で買える時代、なかなか難しい物があります。

しかも、カメラと一緒にコンパクトフラッシュを購入する必要があります。フィルムと違って再利用出来ますが、初期投資としては大きい物です。カメラケースも必要でしょう。出来れば予備バッテリーもあった方が良い。そう考えていくと、結構な金額になってしまいます。

さてここで、実際に店頭で売られているkissDを見てみましょう。
某大手カメラ系家電店など多くの販売店では、2004年11月現在、
・本体のみ
・レンズキット
・Welcome Kit
の三種類の商品が確認出来ます。

「本体のみ」はその名の通り本体のみの販売。「レンズキット」は、本体に加えて標準ズームレンズ「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USM」を同梱した商品。「Welcome Kit」はレンズキットに「EF 55-200mm F4.5-5.6 II USM」を加えたお得セット、と言う感じですね。

レンズ一体型のコンパクトデジカメと違い、一眼レフデジカメの場合はレンズを交換します。言い換えれば、デジカメ本体にはレンズがないのです。
ですので、購入後すぐに使う為には、通常であればレンズキットやWelcome Kitを選ぶ必要があります。

が。
本体のみの場合とレンズキットの場合は約2万円、Welcome Kitの場合には4万円近く差額が発生します。
これはお父さんの財布に対してかなりの打撃です。


しかし、この差額を押さえ込む方法があります。それは、「中古レンズを購入する」という手です。


レンズ外観
右が今回購入した中古レンズ。私は手持ちポイント使ったので現金支払額は3千円でした。
左はレンズキット付属のレンズ。
カメラやパソコン、最近では家具でさえ中古(リサイクル)市場がある世の中。当然レンズだって中古市場があります。
マニュアルとか保証とか考えると本体は新品が良いけれど、取り替え可能なレンズについては中古を選択し、予算を抑えようって考え方。新車に中古のカーステを付けるような感覚ですね。

実際私も、池袋の某大手カメラ系量販店の中古レンズフロアに足を運んでみたところ、
EF 28-80mm F3.5-5.6 II USM」というレンズを約6千円で見つけることが出来ました。

この量販店ではいわゆるポイントカードサービスを実施しています。
仮にkissD本体のみを買ったとして、そのポイントは約1万円分。中古レンズを買うには十分な資金でしょう。あとは浮いた予算でCFなりカメラケースなりを購入出来ます。

ところが、ここで一つの疑問点が生じます。
それはつまり、

「中古レンズという物は素人が使いこなせる商品なのか?」

という点です。

眼鏡をしている方なら理解出来ると思うのですが、光を操るレンズという物は、性能と価格がダイレクトに結びつくと言っても良いぐらい、ピンキリな商品です。
実際、ほぼ同じ倍率のレンズであっても、高級レンズと安価なレンズではレンズの綺麗さを示す値が大きく違いますし、同時に価格も違います。

新車に中古のカーナビを搭載した方が良いのか。それとも、中古車に新品のカーナビを搭載した方が良いのか。
これはなかなかに難しい問題でしょう。

そこで今回は、「初心者がkissDを使う場合」を想定し、実際に中古レンズを使って撮影を試みてみました。

【作例1:室内での撮影】
まずは普通の室内撮影。状況としては小さなお子さんが部屋の中で遊んでいる様子などを取る場合に近いのではないでしょうか。
よく晴れた日中に、全く何の変哲もない和室で撮影しています。当然、レフ板やライトは無し。自然光+室内の蛍光灯のみです。

まずはワイド端、つまりズームしていない状態の写真です。
撮影モードは「ストロボ発行禁止」モード。フラッシュでお子さんを驚かせたくないお父さんが使いそうなモードをチョイスしてみました(笑)。

※なお、以下の作例でコメント欄が水色の物については、リンク先の画像は無加工(ファイル名のみ変更)になります。2MB以上あるので非常時接続の方はご注意下さい。
(最大解像度設定がまずかった(汗) 次回からは撮影時の解像度落としますわ… >次回あるのか?)

18-55mm 28-80mm
【EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USM】

3072x2048 / 1/30秒 / F3.5 / ISO125 / 18mm
【EF 28-80mm F3.5-5.6 II USM】

3072x2048 / 1/40秒 / F4.0 / ISO100 / 28mm

ぱっと見で解るのが、「引き」度の違いです。レンズキット付属レンズの方が、より広く(つまり被写体は小さく)映っています。

これはレンズの名称にも現れています。
レンズキット付属レンズが「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USM」、中古レンズが「EF 28-80mm F3.5-5.6 II USM」。
この、「18-55mm」と「28-80mm」の部分が、レンズの倍率みたいなもんで、小さい方の数字がワイド端、大きい方の数字がテレ端(望遠側)になります。

数字が小さい方が広く撮影出来るので、今回は数字の小さいレンズキット付属レンズの方が広く取れている訳ですね。


なお、カメラをよくご存じの方向けにコメントしますと、今回はオート系の設定で撮影しているので、F値やらISOやらが一致していません。
本来的な「比較作例」であれば統一した方が良いのでしょうが、趣旨が趣旨なので今回はこの方向で。


次に同じ場所から取ったテレ端、つまり最大望遠の写真です。モードは同じく「ストロボ発行禁止」モードです。

18-55mm 28-80mm
【EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USM】

3072x2048 / 1/40秒 / F5.6 / ISO400 / 55mm
【EF 28-80mm F3.5-5.6 II USM】

3072x2048 / 1/60秒 / F5.6 / ISO400 / 80mm

こちらも一目瞭然。中古レンズの方がよりズームです(表現あってるかは微妙ですが)。これも先ほどの数値で見れば、片方が55mmでもう片方が80mm。当然80mmの方が倍率は高いのです。

なお、この室内撮影でのシャッタースピードは1/30秒から1/60秒の間でした。1/30だと相当しっかり持たないと手ぶれを起こします。今回手ぶれがさほど目立たないのは奇跡と言えるでしょう。…まぁよく見るとしてそうですが(w

【作例2:室内での対物撮影】
太陽光が直接当たらない部屋の隅で、5センチ前後の小さな物体を、50cmほどしか離れていない位置から撮影してみました。
撮影モードは全自動のフルオートです。当然というか、全回でフラッシュが発光しました。

まずはワイド端から。

18-55mm 28-80mm
【EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USM】

3072x2048 / 1/60秒 / F4.0 / ISO400 / 18mm / 内蔵ストロボ発光
【EF 28-80mm F3.5-5.6 II USM】

3072x2048 / 1/60秒 / F4.0 / ISO400 / 28mm / 内蔵ストロボ発光


次にテレ端。

18-55mm 28-80mm
【EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USM】

3072x2048 / 1/60秒 / F5.6 / ISO400 / 55mm / 内蔵ストロボ発光
【EF 28-80mm F3.5-5.6 II USM】

3072x2048 / 1/60秒 / F5.6 / ISO400 / 80mm / 内蔵ストロボ発光

ここでも大きな違いが広さとズームの強さではないでしょうか。

小さい物を大きく取るには、ズームの倍率を上げるか、被写体に近づくかする必要があります。しかし、カメラには被写体との最短距離があり、50cmより近づくにはそれなりのレンズが必要になってくる場合があります。手ぶれの危険性はありますが、高倍率のズームで拡大した方が大きく撮れることも少なくないようです。



さて、ここまで二つのレンズの画像をご覧になって、皆さんは両者の画質に激しい違いを見いだせるでしょうか?
私はさほど大きな違いは見て取れませんでした。いや素人目利きなんで参考にはなりませんが(笑)、倍以上の価格差があるとはあまり思えない感じです。

ディスプレイで見るのではなく、「現像」して写真になってから見ると、よりその感じは強くなる傾向にあるようです。

これがデジカメの強さではないか、と私は考えます。
kissDを始めとするキヤノンのデジカメには、映像エンジン「DIGIC」が搭載されています。この回路が、撮影した画像を解析し、最適な画質に調整してくれる訳ですね。

全てがアナログで一発勝負の光学一眼レフとの違いがここにあるような気がしてなりません。

あ、あくまで「気がする」だけですから根拠はないんですよ(笑)。私の感想ですから。それに、銀塩カメラだって、現像時に補正することはあるようですし。
ただ、「DIGIC」等の画像処理回路のおかげで、ある程度軽減されているような気がしてならないのです。


以上の結果を持ってしても、何がベストなのかを断定するのは難しいでしょう。
ただ、私は、「中古レンズで練習して、腕を上げてから良いレンズを導入する」ってのも一つの手じゃないかなぁ、なんて考えました。



ちなみに。 今回の作例は初心者対象と言うことで(いや俺も初心者なんだけどね)、基本的にオート系のモードで撮影しましたが、マニュアルセットで撮影しても良い感じでした。
なんと言っても6千円、現金支払額は3千円でしたからね。コストパフォーマンスは良いと思います。

<2004.11.10 ななぼん>

※2004.11.28 無変換作例のコメント欄を水色に変更


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