HITACHI FLORA 220FX NP7 導入記





時代を先取りニュー○ワー(をい)

唐突ですが、私は曲がりなりにもプログラマー(っぽい人)です。仕事としてプログラムを行っていると、設計段階からコードレビューまで、打ち合わせを行うことが非常に多く、またレビューに使う資料もA4数ページから数十ページに及ぶものが多い状況です。普通ならレビュー資料というものは紙に印刷して閲覧するものですが、流石に数十ページのものでは印刷はきついし、何より地球に優しくない(汗)

そんな中、チームリーダーの提案で、最近ではノートPCを使ってレビューを行うようになりました。これなら印刷する必要もないですし、元々コードレビューなどの場合には関連資料等を参照したくなることもありますし、理に適っているわけですね。

ということで、最近しばらく出番のなかったNECのCrusoeノートを会社で常用するようになっていたのですが、暫くすると様々な問題が出てきました。

【速度が遅い】
コンパイルなんかはっきり言って非現実的な時間がかかりますし、ちょっとサイズの大きいWordドキュメントやPDFだと開くだけでも一苦労。資料が多くなればなるほどきつくなってきます。

【バッテリーがない】
このCrusoeノート、バッテリーの寿命がきていて、フル充電しても2分〜5分で落ちてしまいます。しかも、Windowsがバッテリー切れを認識して警告メッセージを表示したり、自動的にシャットダウンを行う前に、いきなり本体が落ちてしまうんです。モバイル駆動どころか、無停電電源にすらなりません。

【光学ドライブがない】
モバイルノートなので仕方ないのですが、光学ドライブを内蔵していません。故に、仕事をする都合で何らかのソフトを入れるにしても、非常に面倒です。
まぁ元々余り物を流用していただけなので、ここまで酷使するとは思っていなかったんです(笑)。

懐かしき友人との再会

FLORA 220FX NP7
マシン外観。
よく見ると液晶にキーボードが映り混んでいますが、これはあとから貼った光沢タイプの液晶保護フィルムの影響。このフィルム、確かに貼ると最近の光沢液晶のような感じになりますね。
ということで、何か代わりになるノートはないかな、と秋葉原を巡っていたところ、日立の企業向けノート「FLORA」シリーズのモバイルノート、220FX NP7が目につきました。

簡単なスペックは以下の通り。

形名PC7NP7-GRC27D120
CPU低電圧版 Intel(R) SpeedStepTM 
Mobile Pentium(R)III 700MHz
チップセットIntel(R) 440BX
メモリ128MB
(製品仕様:標準64MB/最大256MB)
HDD10GB
内蔵LCD12.1型TFT
1024x768 65536色
CD-ROM最大24倍速
PCカードPC Card Standard(JEITA V4.2)準拠
Type II×1 CardBus対応
内蔵LAN
(コネクタはモデムと共有)
100BASE-TX/10BASE-T 自動認識
内蔵モデム
(コネクタはLANと共有)
56kbps(V.90/K56flex)
FAX14.4kbps

若干CPU速度が遅めではありますが、まぁコンパイルさえ行わなければ実害は出ないでしょう(Crusoe 600MHzの体感速度はPentiumIIIに直すと300〜400MHz程度だと思います)。更にメモリを増設すればスワップも減り、レビューPCとしては問題ない機種です。

更に、私は大学時代にPC系のバイトをしていたのですが、その中に「ノートPCにリカバリを行いつつ各種設定を行い梱包をする」というものがあり、そのときにイヤというほど触っていたのが日立FLORAだったので、なんだか愛着もありました(笑)。

見つけたときの価格は、「もそっと出したら安価なA4ノート買えるんじゃないの?」って感じの、中古のノートとしては若干気になる額。とはいえ光学ドライブを内蔵してて、かつ着脱可能、しかもB5のモバイル系となるとほとんど機種がない上に新品では20万以上する分野なので、一大決心をして購入してみました。

お買い物☆お買い物☆

中古でも何でも、お買い物は楽しいもので(笑)。しかも今回は箱付き商品だったので、ちょっとウキウキしながら帰宅の途へ(笑)。

但し、標準ではメモリが128MBしか搭載しておらず、製品仕様上は最大でも256MBの表記。でもチップセットは440BX、チップセット的には512MBでも耐えられるような気がふつふつと…

早速、帰宅後に自分の所有メモリでチェック。流石に256MB×2では起動しないものの、128MB+256MBだときちんと384MBとして認識してくれました。ということで、自己責任として、384MBで運用することにしました。

OSはWin98SE搭載ですが、Win9x系OSで使い続けるのは当然無理。ということで、WinXPを導入。CD-ROM内蔵なので、インストールも楽々でした。

440BX系ということで、かなりのデバイスはOS標準で認識。認識できないデバイスに関しても、Google等で検索すれば、ドライバが比較的簡単に入手出来ます。この機種ぐらい昔のものになると場合によってはドライバを見つけるのに非常に面倒なこともあるのですが、この辺は日立の企業性なのか、それともFLORAが企業向けモデルな為なのか…。何にしても有り難いことです。

但し、HDDが10GBなのはやはりきつい。OS入れて、Office入れて…ってやっていくと、VC++等を入れる容量は無い状況ですね。とはいえ、東芝のLibrettoみたいに簡単にHDが取り出せるタイプではなく、自分で大容量HDDに交換改造するには相当なリスクが伴います。これに関しては、日立系列の企業でHDD交換サービスを行っているところがあるので、ちょっと検討中です。

省電力を模索する

さて、無事WinXPを導入した220FX。実はWinXPを選んだのには理由があります。

勿論、ライセンスが余っていたとか、仕事で使う上で実はXPの方が楽なことがあるとかも理由の一つですが、それらとは別の理由として、「WinXPの省電力機能を試したい」と言うのがありました。

元々は、「FROLA 220FX」という単語をググっていて(笑)、いろいろ巡回していたところ辿り着いた、インプレス社のwebサイト「PC Watch」内の連載『本田雅一の「週刊モバイル通信」』の記事。

「第129回:謎の多いWindows XPの省電力機能を再検証」( http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011128/mobile129.htm

これが目に留まったことに始まります。

細かいことはインプレス社のサイトをご覧頂くとして、まぁざっくばらんに内容をかいつまむと、

・モバイルPentium III用CPUドライバが行う省電力機能はレジストリに従うらしい
・古いチップセットでもこのレジストリを操作すると効果的に電力制御してくれるらしい
・筆者の本田氏の環境ではFLORA 220FXで動作しているらしい
というような情報を得ました。

確かにWinXPはCPU毎にドライバを持ち、ある程度の電力管理をするらしいという話を聞いたことがありましたが、今まで所有していたノートがCrusoeだったのでさほど気にとめていませんでした。

しかし、今回はIntelのCPU。当然、Windows側に何らかの「仕組み」が組み込まれている可能性は大(爆笑)。しかも、今回はとっても興味のそそられる記事までオマケに付いてきている。

……おいらが試さない筈がない(爆笑)。

ということで、実際にレジストリを操作し、Windows XPの機能がフルに活用出来るようにしてみました。

注意!!
レジストリの変更はシステムを破壊し、起動しなくなる危険性を伴います。その際の損害、不具合、その他一切の現象について、筆者は一切の責任を負いません。レジストリの変更は自己責任の元、行って下さい。

とはいえ、やったことと言えば、レジストリをセットし、動作が正常であることを確認する程度。今のところ、確かに問題は出ていません。また、WinXP+Intel CPU環境で使えるツール「SpeedswitchXP」を導入してみると、確かに動的にCPUクロックが変化している模様。

バッテリーも、平均でも2hは確実に持つので、殆どのレビューでバッテリーを気にする必要が無くなりました。

…とはいえ、レジストリ変更前の状態でのベンチマークを取っていないので、このレジストリ操作がどれほどの意味を持つのか、よく分かりません(爆)


概ね良好なFLORA 220FX。あとはHDDを交換するかどうか……悩み所ですわ(泣)

おまけ

HackFlags簡易設定ツール
もっさ久しぶりのソフト作成でした…
上記したように、モバイルPentium III用CPUドライバが行う省電力機能はレジストリに従うということで、そのレジストリを設定するツールを作ってみました。

制作時間30分(爆)
加えて、元々C#で遊ぶ用に作ったので、.NET Framework 1.1必須です。

ということで、実際に利用できる人は限られるかもしれませんが、まぁ久しぶりのソフト作成だったので公開してみます。

使う際には、くれぐれも自己責任ですよ。

HackFlagController_0_2_808_4718.lzh


<2004.07.25 ななぼん>


<こらこらコラム に戻る>