・新機種登場!? 即買いでしょ!
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カシオ計算機「W21CA」
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さて、この原稿を書いているのは2004年12月17日です。
都内では本日、新しい"デジカメ"が登場しました。カシオ計算機の200万画素デジタルカメラ「W21CA」です。オートフォーカス単焦点レンズを搭載、256MBまでのminiSDが装着可能です。
様々なデジタルカメラを販売しているカシオですが、W21CAの最大の特徴は、auの通信サービス「CDMA 1X WIN」に対応し、撮影した写真を電子メールに添付して送付することが可能な点です。
特に「ダブル定額」を併用した場合、パケット代を気にすることなく送信出来るため、友人に写真を送る際の手間がかなり軽減されています。
…え?もういいって?(汗)
はい、そうです。W21CAはあくまで「デジタルカメラを内蔵している携帯電話端末」です。EZ着うたフルに対応したauの2004年秋冬モデルシリーズのうちの一つですね。
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解像度設定メニュー
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ちなみにこの写真、鏡を使ってW21CA自身で撮影したものを左右反転しています。 蛍光灯のみの状況下なので流石にノイズが…
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でも、右の写真のように構えたら、もうこれはカメラじゃないですか?(笑)
というか、解像度設定メニュー等のユーザーインターフェイスのデザインも、液晶を反転させた状態(ViewMode)の場合にはデジカメっぽい感じになっています。
240x400の2.6インチワイドQVGA搭載やPCサイトビューアーが話題ですが、個人的には「デジタルカメラとして見ることが出来る携帯電話」として注目しています。
似たような構造のau端末としては先行の「W21SA」があるのですが、あれは液晶を反転させてカメラとして構えると右側にレンズが来てしまい、シャッターを構える右手が干渉してしまいます。その点W21CAの場合は左側にレンズが来るので、写真のように綺麗に(?)構えることが可能なんですね。
しかもアンテナ部と思われるヒンジ部の出っ張りが、良い感じに左手の親指に引っかかり、ホールド性はかなり高かったりします(笑)。
DoCoMoの「SO505iS」なんかがちょっぴり羨ましかった筆者としては、結構嬉しい感じです。
とはいえ、実際カメラとして使おうとした場合、やはり画質が気になります。
特に携帯電話内蔵カメラの場合、元々がメールに写真を貼付する目的であるためでしょうか、JPEGの圧縮率が高く、同一画素数のデジカメと比べて明らかに画質が辛い場合が多いイメージがあります。メール添付が目的であればそれでよいのでしょうが、カメラとして使うにはマイナスポイントです。
ということで、今回はあえて通常のコンパクトデジカメとの比較を行ってみました。
・1年半の技術革新は如何なる物か
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SONY CyberShot DSC-P2
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今回、比較対照に使うのは、SONYが約1年半前の2002年6月に発売した「CyberShot DSC-P2」です。
理由は簡単、うちにある200万画素のデジカメはこれしかないからです(笑)。
一応、オリンパスのX-200やキヤノンのPowerShot G5もありますが、300万画素機や500万画素機と比較するのは酷でしょう。あまつさえ、kissDとの比較など論外です。
元々、携帯内蔵カメラをデジカメとして利用する価値は「別途持ち歩く必要なく、いつでも気軽に使えること」であり、その意味では小型機であるDSC-P2は程よい対抗機と言えるでしょう。
…と、前説も終わったところで、早速撮影写真を掲載してみましょう。
※なお、以下の作例でコメント欄が水色の物については、リンク先の画像は無加工(ファイル名のみ変更)になります。
【作例1:屋外での撮影・1600x1200】
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【W21CA】
1600x1200 / 1/588秒 / ファインモード
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【DSC-P2】
1600x1200 / 1/320秒 / F5.6 / ISO100 / 6mm / スタンダード
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まずは、最高解像度である1600x1200での撮影です。
W21CAではフォト画質設定を「ファインモード」に設定、DSC-P2では画質を「スタンダード」にしています。これは「デジカメの方のファインモードは流石に綺麗かつファイルサイズが大きすぎて、比較の意味が薄いんじゃないかな?」と考えたからでしたが、後述するVGAモードでの結果を見るとDSC-P2最高画質も撮影しておくべきでした…
orz
…う〜んW21CAのExif情報少なすぎる(汗)
ぱっと見で分かる通り、左側のW21CAの方がかなり明るいというか、白く見えます。空の色やビルの壁面など、明らかに違う色になっています。
恐らくは明るさ設定とホワイトバランス調整の影響だとは思います。一応両機種ともホワイトバランスは自動設定になっていますが、自分撮りをしてメール添付することの多い携帯内蔵カメラは、美白効果を狙ってちょっと白目に作ってあるのかもしれませんね。
一方、細部の表現力についてはかなり酷似しているように思います。ビルの屋上に立っているアンテナなども綺麗に撮れていますし、ビル壁面も白飛び状態になっている場所を除けば細かく表現されているのではないでしょうか。
【作例2:屋外での撮影・640x480・ワイド端】
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【W21CA】
640x480 / 1/128秒 / ファインモード
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【DSC-P2】
640x480 / 1/160秒 / F5.6 / ISO100 / 6mm / スタンダード
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【DSC-P2】
640x480 / 1/200秒 / F5.6 / ISO100 / 6mm / ファイン
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次に、最小画質であるVGAモード、つまり640x480での撮影です。
何故この解像度にしたかというと、W21CAでこの解像度を指定した場合、仮想ズームが使えるからです。いわゆるデジタルズームに近い物ですが、どちらかというとワイド端の時に「1600x1200をデジタル縮小して640x480にしている」感じでしょうか。
記念撮影等は最高画質で撮るのもありでしょうが、日常的なスナップなら640x480で十分ではないかと思います。また、W21CAで640x480を選択した場合、ファインモードのままでもメール添付が可能というおまけも付いてきます(メール添付可能な写真にはサイズ制限があり、1600x1200などは「メールモード」でないと添付出来ないようです)。
なお、今回はDSC-P2の写真はファインとスタンダードの両方を撮影しています。
さて、撮影した映像ですが、こちらもW21CAの方がかなり白いです。というか、青空が真っ白になっちゃってます(汗)。
まぁ風景そのものは認識出来ますし、どういう状況だったかを知るためのスナップ撮影目的であれば大きな問題はないのでしょうが、ちょっと気になりますね。
もっとも、液晶画面を開いた状態(携帯電話として操作可能な状態)であれば明るさ補正は可能ですし、ホワイトバランスに関しても設定項目がありますので、マニュアルを熟読の上で使いこなせばまた違った画が撮れるのかもしれませんが…。
【作例3:屋外での撮影・640x480・テレ端】
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【W21CA】
640x480 / 1/154秒 / ファインモード
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【DSC-P2】
640x480 / 1/125秒 / F5.6 / ISO100 / 18mm / スタンダード
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【DSC-P2】
640x480 / 1/125秒 / F5.6 / ISO100 / 18mm / ファイン
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最後に、同じくVGAモードでの、テレ端画像です。
この写真を見ると分かりますが、W21CAで仮想ズームを行った場合、VGAモードであれば約3倍に相当するズームが可能みたいですね(笑)。
画像については相変わらず白っぽいです。ただ、細部のつぶれ具合については、DSC-P2と比較すると若干ぼやけてるようにも見えますが、それでもさほどきつめではない感じを受けます。
・携帯内蔵カメラはどう進化するのか
ということで、何点か写真を掲載させて頂きました。
今回は更新速度重視の内容にしましたので(笑)、明るさ設定など、まだまだ改善の余地が残る状態ですが、それでもデジカメと比較が可能なレベルにまで技術向上がなされていると言えるのではないかと思います。
2001年6月にJ-フォン(当時)が提唱した「写メール」をきっかけに、急速に普及した「携帯電話にカメラを内蔵させる」という動きは、もうここまで来ているのか、という感じですね。
ところで、W21CAの前機種である「A5406CA」は、300万画素カメラを内蔵していました。その点で言えばスペックダウンと言えます。
しかし、実際問題としては200万画素でも十分使える物ですし、あまつさえ今後更に画素数が上がったとしても、携帯電話連動機能(メール添付など)については対応しきれないのではないでしょうか。
では、今後、携帯内蔵カメラはどうなっていくのでしょう?各社、いろいろと路線を検討しているのかもしれません。今後に期待です。
まぁ個人的にはISO設定などもいじれるような機能があると嬉しいですね。
これは最初から搭載している必要はなくて、EZアプリやiアプリのような「プログラムを導入して実現」する機能でも良いと思います。というか現行機種でも可能なのであれば、是非とも実現して欲しいところです…。
<2004.12.17 ななぼん>
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