LCD-TV173CBR 導入記

〜その2:運用と使用感〜

液晶は良いねぇ〜

 さて、無事設置の完了したLCD-TV173CBR。早速使ってみました
画面設定ツール
「画面設定ツール」起動中の様子。
解りにくいですが、上下の灰色のバーは黒縦線と白縦線が1ドットずつ書かれています。

 添付のCD-ROMを使うと、.infファイルや自動設定用ソフト「画面設定ツール」、それと任意で「Display Manager」というソフトが導入出来ます。

 「Display Manager」ってのは、液晶のTV表示をPC側で自動制御しようという物で、これが起動していれば「TV鑑賞予約」が可能です。
 まぁ、私は特に必要性を感じなかったので導入しませんでした(笑)。

 「画面設定ツール」は、アナログRGB接続の液晶に付きものの「自動調整」に適した画像を画面上に表示してくれるソフトです。
 似たような趣旨の画像ファイルやフリーソフトもあると思いますが、メーカーが添付させているというのは評価出来ますね。

 なお、.inf導入に相当するセットアップを行う際、たまに「LCD-TV173CBRが見つからねーぞゴルァ」って怒られることがあります。
 LCD-TV173CBRをPCに接続、先にLCD-TV173CBRをONにしてからPCを起動すれば大抵は回避出来るはずなのですが、何故かウチの環境では特定のPCでどうしても回避出来ず、.inf直接指定による強制認識をさせる羽目になりました。

 どのような理由でセットアップ時にLCDをチェックする仕様になっているのかは不明ですが、折角の「画面設定ツール」のプラスポイントが打ち消されてしまう気がします(笑)。

重箱の隅をつついてみる

 ということで、非常に快適な液晶生活になりました。おしまい。

 ……だと、webコンテンツとして寂しい(爆笑)。
 そこで、ちょっと気になった点を上げていきます。


 まず、当初から気になっていた「疑似フルカラー」です。
 通常、疑似フルカラー表示の場合、近似した色でディザリングされていたり、似た2色を交互に表示させることで擬似的に中間色を表示します。
 しかし所詮はフェイク、擬似的な物です。ダミープラグなんです(マテ)。
 結果、ケースによっては違いが目立ってしまいます。

 試しにいくつかの動画を再生してみたところ、特定の動画で、色がおかしく表示される物がありました。

 本当はその写真を載せたいのですが、その映像ソースが一般著作物(某アニメ)なので、ちょっと無理っす。
 なので文字のみの説明ですが、ご容赦を。

 えっと、問題となっているのは、赤と、ピンクが隣り合っている映像です。
 元々TVのキャプチャなので、この赤とピンクの境界線がはっきりしておらず、ピンクが若干赤に被っています(ゴースト現象ですかね)。

 この、重なっている部分が問題なのです。

 LCD-TV173CBRの映像では、本来赤に近い色で表示されるべき、色が重なっている箇所まで、ほぼピンクそのものの色で表示されてしまっています。
 つまり、本来表示出来ない色を、液晶側で近い色であるピンク色で表示しているのではないか、という可能性が考えられます。

 ただ、その色が、肉眼で確認した際には周辺の色との関係で「妙に違和感のある色になってしまっている」訳ですね。

 しかし、この話題はこれで終わりません。
 減色アルゴリズムとの相性かな?と考え、アイ・オーに電話で聞いてみたところ、面白い回答が帰ってきました。

 なんと。

 LCD-TV173CBRはフルカラー液晶を搭載しており、疑似フルカラーというのは記載ミスである。

との回答を頂いたのです。

 仮にフルカラーだとしたら、より問題は謎を深めます。
 また逆に、「LCDコントローラのルーチンが悪いんだろう」という予想も出来ます。

 LCD-TV173CBRの液晶が本当にフルカラー液晶なのか、それは私には判断出来ません。
 もし記載ミスなら将来的にwebのスペック表が書き変わるかもしれませんが……。

 まぁどっちにしても「ユーザーではどうしようもない」部分なのですがね。

過去の遺産には手厳しい…?

 さて、LCD-TV173CBRの次なる問題点に、「PC-98x1で使いにくい」というものがあります。
98NOTE演奏中
解りにくいのですが、PC-98x1の画面サンプル。

 この液晶、横幅は任意に設定出来ますが、縦幅は画面いっぱいに表示で固定なんです。
 ですので、640x400のPC-98x1のDOS画面が妙に縦長になってしまいます。

 どんな感じかと申しますと、右の画面のようになります。

 この画面は、私のMIDIデータ「良くも悪くも98NOTE Ultra Arrenge」を、斉藤氏のソフト「MIMPI V4」にて再生した時の様子です。
 本来の画面構成に比べ、縦長になっているのがお解りに……なりますかねぇ?(汗

 まぁ、どんな感じなのかは、640x400の画像を、640x480にリサイズしてみて頂ければ解ります。
 文字ならともかく、ゲームなどのグラフィックは結構悲惨です(泣)


 また、このことからお解りになる方もいらっしゃるでしょうが、この液晶は「フル画面表示固定」です。
 どんな解像度でも、必ず画面いっぱいに表示されてしまいます。

 中には「拡大しないで表示したい」という要望もあるでしょうが、この機種ではそれは出来ません。
 この点は気になる人には気になるでしょうね。

敵に渡すな大事なリモコン☆

 ……まぁ、それはさておき(笑)。
付属リモコン
付属のリモコン。
安物TVのようだ(笑)

 LCD-TV173CBRには、リモコンが付属します。

 このリモコンを使うと、TV←→PCの切り替えが楽だったり(本体ボタンではS-VideoやPC2など、全ての入力系統を順々に切り替えるだけなので非常に面倒です)、各種操作が解りやすかったりと、メリットは大きいです。
 恐らくはメーカー的にはこのリモコンで操作することを前提に作られているのでは、とも思えます。

 ただ、出来れば、PC画面中に数字キーを押した際に、自動的にTVに変えられる設定があるとより便利かな、と感じました。

 勿論これはそう動作することが「選択可能」なら良い、ということであって、そう動く「仕様」だとまた厄介なんですけどね。
 PC表示中にTVが表示されて欲しくないシーンもあるでしょうし。

 あとはまぁ前述したことですが、PC画面中にTVの音が聞こえたら楽なのになぁ……と。

価格と性能のバランスの取れた機種

 まぁ上記以外にも、「TV鑑賞時とPC表示時の設定を別々に出来ない」「コントラスト比がもうちょっと欲しい」「表示ソース切り替え時に表示までにちょっと時間がかかる」など、上げだしたらきりがないのですが、個人的には気に入っています。

 確かに微妙な点もありますが、「PS2を直接表示したい」という要望に応えてくれる商品であり、かつ価格と性能のバランスが取れている商品だと思います。

 実は、秋葉原巡回中に、17インチでフルカラー液晶搭載、コンポジット入力の液晶を見つけたのですが、海外メーカー品だったので躊躇しました。
 逆に、アイ・オー・データ機器という、国内メーカー故に得られるサポート力や安心感は素晴らしい、と思います。


 もっと高額な商品なら様々な機能も実現出来るのでしょうが、まぁ液晶は過渡期ですし、今買うならこの辺が良いのかな、と思います。


 とりあえず、各液晶メーカーさん……

 『地上デジタル対応で、複数台のPCからのサウンド出力を同時にならせる機種出して下さい!』



<2003.12.31 ななぼん>


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