・携帯内蔵カメラ、進化しましたよね
このコーナーの第4回でも扱いましたが、最近の携帯電話内蔵カメラの進化は目を見張る物があります。
よほどの特殊用途でない限り、写真を撮れるのは当たり前。
しかも、「標準レベル」が100万画素クラスになりつつあります。
実際、この記事を書いている前後に発表されたauのタフネス携帯「G'zOne TYPE-R」も、耐水・耐衝撃モデルという特殊機種でありながら、128万画素CMOSカメラを搭載しています。
とはいえ、コンパクトデジカメと全く同レベルの物が入っているのか、と言えば、必ずしもそうとは言えません。
ソフトウェア的には、JPEGの圧縮率が違ったりしますし、ハード的には光学ズームが搭載されているかどうか、と言う違いがあります。
まぁ、コンパクトデジカメだって、安価モデルや軽量モデルには光学ズームありませんが、携帯で光学ズーム搭載しているのは一部キャリアの一部特殊モデルだけですので、選択可能率としては圧倒的に携帯の方が不利でしょう。
・足りない物は補えばいい
ところで皆さんは、例えばDVDドライブを内蔵していないノートPCを使っていて、DVD-Rを使いたくなったらどうしますでしょうか。
勿論中には、「DVD内蔵ノートに買い換える」という豪快な方もいらっしゃるでしょうが、まだ今のノートが現役で使えるような新しい機種であれば、普通は「DVDドライブを別途購入し、増設する」という手を取ると思います。
そう、足りない機能はあとから機能強化してあげる。
これは至極普通の流れなのです。
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Amacrox Technology社から発売されている、携帯電話用コンバージョンレンズ
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…需要があれば供給があるというか。市場が広がればアイディア商品が登場するというか。
ネットを彷徨いていたら、なんと「携帯電話用望遠レンズ」なる物を見付けました。
正式には、「カメラ付き携帯電話用 マグネット式コンバージョンレンズ」とあります。
コンバージョンレンズとは、カメラのレンズの前に装着し、より望遠な撮影をしたり、より広角な撮影をする事が可能になるオプションアイテムです。
一眼レフの場合、そもそものレンズを変えられるのでコンバージョンレンズのお世話になる機会は少ないのかも知れませんが、高級コンパクトデジカメを使っている場合に「もうちょっと引きたいんだよなぁ」とか「もちょっとズームしたいのに…」って時には結構使われるアイテムみたいです。
私が見付けた商品の場合、価格が安価だった(\3,000-ぐらいだったと記憶しています)ということもあり、速攻でオーダーしてしまいました。
この原稿を書いている時だと、「カメラ付き携帯電話用望遠レンズ」でGoogle検索すればいくつかの通販サイトが発見出来ます。外見から判断すると製造元は今回のレンズと同様のようですね。
・W21CAに装着!
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マウントリングを取り付けたW21CA。
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望遠レンズを装着したW21CA。いよいよカメラですね
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さてさて。
『コンバージョンレンズ』は上記のような単語ですが、では『マグネット式』とはどういう事なのでしょうか?
説明によれば、携帯電話とこのレンズをマグネットの磁力で固定するらしいです。だからマグネット式、なんですね。
装着手順は至って簡単。
基本的には、コンバージョンレンズ付属のマウントリングの両面テープを剥がし、携帯電話のレンズ部に装着するだけです。
但し、マウントリングを貼る前に携帯電話のレンズ部を清掃、必要に応じて保護フィルターを付けておくと良いと思います。マウントリングを貼ってからだと、これらの作業はやりにくいですからね。
あとは、望遠したいときにコンバージョンレンズのマグネット部をマウントリングに付けて、携帯に固定するだけです。
それでは、早速撮影してみましょう。
まずは、W21CAの最大解像度、UXGA(1600x1200)モードでの撮影です。
※なお、以下の作例でコメント欄が水色の物については、リンク先の画像は無加工(ファイル名のみ変更)になります。
【作例1:1600x1200】
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【W21CA】
1600x1200 / 1/1250秒 / ファインモード
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【W21CA with コンバージョンレンズ】
1600x1200 / 1/1250秒 / ファインモード
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ぱっと見て一番目立つのは、「何で右の写真は周辺が黒いんだ?」という所ではないでしょうか。
これは、「ケラレ」と呼ばれる現象で、コンバージョンレンズを使うときに発生することのある現象です。
細かい話をしだすと色々と調べないと正確なことは私も知らないのですが、ま要するに、レンズの筒部分が写り込んでしまっている、と考えればよいのではないかと思います。
では、ズームの度合いはどうでしょう?
右の写真を見ると、左の通常に比べて、ビル屋上に設置されているアンテナ群の細かいディテールが確認しやすいのではないかと思います。
きっちり拡大されているようですね。
…とはいえ、やはり黒枠が気になりますね。
いくら望遠とはいえ、これでは見た目的に悲しいです。何とかならないのでしょうか?
実は、回避策は意外と単純です。
要するに、「黒い部分が写真に写らなければ良い」訳ですから、携帯側でデジタルズームしてしまえばいいのです。
W21CAの場合、デジタルズーム可能なのはSXGA(1280x960)からなのですが、残念ながらSXGAではちょっとだけ残ってしまいます。
完全にケラレを回避するには、VGAモードにしなければなりません。
ということで、次にVGAモードで撮影してみました。
【作例2:640x480 ワイド端】
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【W21CA】
1600x1200 / 1/1250秒 / ファインモード
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【W21CA with コンバージョンレンズ】
1600x1200 / 1/1250秒 / ファインモード
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まずは、全くデジタルズームをしなかった場合です。
この場合、UXGA時の写真を縮小しただけの状態ですので、やっぱりケラレが発生しています。ま、当然なのですがね。
それでは早速、デジタルズームしてみましょう☆
【作例3:640x480 テレ端】
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【W21CA】
1600x1200 / 1/1250秒 / ファインモード
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【W21CA with コンバージョンレンズ】
1600x1200 / 1/1250秒 / ファインモード
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はい、見事に周辺の黒い部分が消えています。
ケラレが発生していない状態ですね。
VGAモードというのは解像度低いように思えますが、PCで見るには程よい大きさとも言えますし、L版印刷なら必要十分な解像度です。
何より、メール添付時にパケット量なり時間なりが節約出来るので、バランスの取れたモードではないかと思います。
そういう意味では、VGAモードでケラレが出ないのは有難いですね。
それにしても、ここまでズームしてあるとレンズの有り無しがよく分かりますね。
【おまけ:240x320 テレ端】
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【W21CA】
240x320 / 1/434.8秒
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【W21CA with コンバージョンレンズ】
240x320 / 1/333.3秒
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最後におまけで、撮影モードをいわゆる「携帯モード」にした、240x320での写真を貼ってみました。
ちなみに、クリックしても何も起きません。表示されている写真が実物だからです(笑)。
撮影時に勘違いして、PCモード時(VGAとかUXGAとか)と同じ持ち方をしてしまったので天地がおかしいですが、まぁサンプルなので…。
ここでもやっぱりズームされてます。携帯モード時はデジタルズームで寄れる幅がVGAモードよりも大きい(倍率が高い)ので、コンバージョンレンズ付けると凄く望遠になります。
ま、240x320なので、用途は携帯本体で見る事に絞られちゃいますけどね。
・携帯の使い方を広げられるかも!?
さて、実際に撮影してみた感想ですが、個人的には2〜3千円の投資でこれだけの効果があるというのは、なかなかに面白い道具だと思いました。
正直、元々はこのコーナーの為『だけ』に購入したのですが、今でも鞄の中に持ち歩いています。
利用する機会はあんまし多くはないのですが、保険的な使い方として、自分の中ではまぁ耐えられるかなぁ、と感じました。
コンパクトデジカメは滅多に持ち歩かないけど携帯は常時持ち歩く人、携帯内蔵カメラを使いまくる人には、ネタだけじゃなくて実用の可能性もあるオモチャかもしれませんね♪
<2005.06.05 ななぼん>
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