・もう10回目ですよ…(汗
思いつきで進めてきたこのコーナーも、遂に10回目になりました。
何だかちょっと、しんみりしてみたり(笑)。
さてさて、今ではこんな謎コーナーを作成するぐらいカメラを触ってるおいらですが、元々はカメラをあまり使わない人でした。
家族旅行の時には、「自分が写りたくない」という理由からカメラを構えることは多かったのですが、それ以外のシーンでカメラのファインダーを覗くことはまず有り得ないという人生だった訳です。
そんなおいらが、某チャリティーオークションで DJ-1000 を買ったところから、全てが始まりました。
そのかっこよさに思わず購入したDJ-1000ですが、実際にホームページの素材を撮ろうとすると流石にきつい。
(この辺は、撮り比べの時の写真を見ればお解りかと。屋外であれですから、室内では相当に辛いんです。)
そこで購入したのが、オリンパスのC-860L。現像不要(デジカメだから)で手軽に使えるカメラと言うことで、結構色々撮りました。
その後はいろいろと乗り換えて、今のkissDに至っている訳ですね。
そんな訳で、おいら的にはあまり馴染みの薄かったフィルムカメラ。
しかし、世の中的にはやはり圧倒的に浸透している訳ですよ。
銀塩(フィルム方式)のコンパクトカメラにしても、出荷台数では数年前からデジカメの方が上ですが、それでも愛用者は多いでしょう。
また、銀塩の場合、デジタルカメラに比べてラチチュードと呼ばれる「綺麗に撮れる露出量の幅」が広いと言われています。要するに明暗の差が激しいところでも綺麗に撮れると言うことですね。
その為、デジカメではなく、あえて銀塩を選ばれる方もいらっしゃるでしょう。
未だに、「フィルムを現像する」というニーズは少なくないのです。
そもそもとして、使い捨てカメラは当然フィルムだしね。
そんな銀塩カメラですが、フィルムを現像するという関係上、誰かに写真を渡す際には焼き増しが必要ですし、ホームページなどで公開しようとすると、スキャナなどで取り込む必要が出てきます。
出来ない訳ではないですが、デジカメの「データをコピーするだけ」という手軽さからすると、ちょっと面倒ですよね。
・「CD-R作成サービス」でデジタル化を店に頼む
そんなときに便利なのが、町の写真屋さんでも頼めるサービス「CD-R作成サービス」です。
名前は様々で、「ピクチャーCD作成サービス」と言っているところもあると思いますが、要するにフィルムで撮影した写真を、デジタルデータにスキャニングした上で、CD-Rにして渡してくれるサービスです。
現像した写真を通常のスキャナでスキャニングしようとすると、一枚一枚スキャンすることになるので非常に面倒です。
かといって、フィルムスキャナなんて、一般的なPCユーザーが所有してるとは限りません。
ですので、店側でJPEGに変換してくれるCD-Rサービスは、非常に有益なサービスと言えます。
|
撮影に利用した、銀塩のEOS kiss。
流石にkissDに比べると相当に軽い。
|
今回は、そんなCD-Rサービスを試してみました。
さて、フィルム撮影に利用したのは、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS kiss」です。
その名の通り、kissDを初めとするEOS kissシリーズの初代ですね。中古で安く見付けたので購入しました。
同じシリーズなので、操作系がkissDに非常に近く、勿論EFマウントのレンズも使用できます。
EF-Sは利用できませんが、同じEFレンズを利用できると言うことで、kissDユーザーにはお勧めの機種と言えると思います。
利用したフィルムは、コダックのISO 400です。家族が近所のDPEショップで現像した際に、サービスとして貰った物だと言うことなので、特別に高画質と言うことではないと思います。
利用したレンズは、主にタムロンの AF28-300mm F/3.5-6.3 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A061) です。デジタル対応のDiレンズですが、当然、銀塩のkissDでも使用できます。
「主に」と書いたのは、実はこの撮影、5月上旬に行ったのですが、レンズとかをメモった紙がどこかに行ってしまいました(汗)
記憶では、kissでもkissDでも同じレンズを使っていたはずなので、基本的にはレンズによる差はないのですが、その辺は参考程度に見て下さい。
それでは早速撮影です。
…実は今回、kissDの設定を間違って、一部の写真をLサイズやMサイズで撮影してしまいました。
それらに関しては解像度をCD-R作成サービスに合わせて、1536x1024に縮小してあります。
※なお、以下の作例でコメント欄が水色の物については、リンク先の画像は無加工(ファイル名のみ変更)になります。
【作例1:建造物の撮影】
|
|
【EOS kiss】
1544x1024 / ISO400
|
【EOS kiss Digital】
1536x1024 / 1/1000秒 / F8.0 / ISO400 / 50mm
|
|
|
【EOS kiss】
1544x1024 / ISO400
|
【EOS kiss Digital】
1536x1024 / 1/1250秒 / F8.0 / ISO400 / 70mm
|
さて、kiss側のデータを見ると、細かい粒子の集合体のように見えます。
原因は定かではありませんが、現像後のフィルムからJPEGに変換する際のスキャナ装置の仕様ではないかと想像されます。
尚、Exifデータを参照すると、「NORITSU KOKI」「QSS-29_31」というメーカー名及び機種名が確認できます。
Googleで検索してみたりしつつ推測するに、どうやら今回はノーリツ鋼機さんという会社の装置が使われたようですね。
【作例2:風景撮影】
|
|
【EOS kiss】
1544x1024 / ISO400
|
【EOS kiss Digital】
1542x1024 / 1/3200秒 / F7.1 / ISO400 / 28mm
|
|
|
【EOS kiss】
1544x1024 / ISO400
|
【EOS kiss Digital】
1542x1024 / 1/1600秒 / F8.0 / ISO400 / 300mm
|
これは高尾山の上から撮影した写真ですが、明らかにkissとkissDでは色合いが異なります。
個人的には、kissの方が、手前の緑遠くの山々の色の違いが確認できて、美しい写真のように感じました。
前述したラチチュードの影響かも知れませんね。
それだけに微粒子化してしまっているのが非常に残念ですが、でもまぁあまり気にならないと言えば気にならないと言えます。
下の2枚は最大望遠時の写真です。
拡大率が違うのは、同じタムロンのレンズでも、kissでは数字通りの300mmですが、kissDではx1.6で480mm相当になっている為です。
なにやらkissの周辺部分が暗くなってますが、原因は定かではありません。
また同様に、kissの写真の左上に謎のゴミが写り込んでいますが、現像した写真そのものや、フィルムそのものにはこのような物は確認できません。恐らくはJPEG化する為のスキャナにゴミが付着してしまっていたのでしょう。
【作例3:夜間撮影】
|
|
【EOS kiss】
1544x1024 / ISO400
|
【EOS kiss Digital】
1536x1024 / 1/10秒 / F4.5 / ISO400 / 50mm
|
最後は夜のプラットフォームです。
今回はkissでもkissDでもフラッシュを切って撮影したのですが、流石にシャッタースピードが遅い。
kissの方は記録がありませんが、kissDのExifでは1/10秒、つまり0.1秒です。同じISO値で撮影していますので、kissでもこのぐらいだったと思います。
実際、2枚ずつ撮影していたのですが、kissでもkissDでも、片方は手ブレを起こしてしまいました。
夜間撮影で手ブレを抑制する為には、やはりISO800とかが欲しいですね。
・侮れないCD-Rサービス
さて、実際に利用してみた感想ですが、正直驚きました。
そもそもCD-Rサービスは、1997年頃からリリースされ始めたようなのですが、どうしてもイメージ的に「デジカメ市場拡大に伴ってフィルムメーカーが考え出した苦肉の策」という印象がありました。
しかし、実際に利用してみると侮る無かれ、フィルムの良さをパソコンで簡単に利用できる便利なサービスでした。
特に驚いたのは、やはり高尾山からの写真です。
勿論、2台のカメラを同時にシャッター切った訳じゃないので、多少条件に違いはあったでしょうが、ぱっと見で分かるほどに色合いに差が出るとは思いませんでした。
これが、EOS kiss Digitalじゃなくて、20Dとか、1Dとかならまた違うのでしょうが、ンな高額商品買えません。
orz
とはいえ、CD-Rサービスにも欠点はあります。
例えば、現像時間。
町のDPEショップの中には、CD-R作成を店内で行えない店も存在します。その場合、最寄りの工場でのサービスとなる為、完成までに数日を要することがあります。
現像のみだと60分とかの世界ですから、特急仕上げを望む場合にはちょっと辛いですね。
ただ、CD-R作成が可能な装置は徐々に普及しているようで、うちのそばのDPEショップも、5月の時点では一週間かかっていたのですが、最近では即日でOKになりました。時間と共にこの欠点はなくなっていくかも知れません。
他にも、基本的には有料サービス(数百円程度みたいですが)だったり、今回も発生した通り、ゴミが写真に写り込む可能性があったり、細かい欠点はあります。
まぁ、一番の欠点は、画像の微粒子化かも知れません。
こればっかりは仕方のないことでしょうが、このデータを元に、コンビニなどのデジカメプリント機で「現像」する場合には気にならないレベルですし、PCで見る場合にもリサイズすれば目立たなくなります。
オリジナルサイズは1544x1024。いくら高解像度化が進んだ最近のPCでも、ちょっと大きすぎるというのが私の意見です。
PCで閲覧する場合には、800x600とか、640x480ぐらいの大きさがよい訳で。そのサイズにリサイズしてしまえば、この微粒子化現象は無視できます。
特定フォルダ内の画像を一気にリサイズするフリーソフトなども世の中には存在しますので、それらを活用すれば、メッセンジャーで遠くの友達に写真を送る時などには非常に便利ではないかと思います。
デジタルカメラでは出せない色合いを出したい時。
はたまた、カメラを忘れてしまい、慌てて使い捨てカメラで撮影した時。
CD-Rサービスは、結構使えるオプションだと思いますよ。
それでは最後に、おいら的にはPCで閲覧するには最適と考える、横800ドットにリサイズした写真を。
微粒子は気にならないと思います。
|
【EOS kiss リサイズ版】
800x531 / ISO400
|
<2005.07.18 ななぼん>
|